移り気なブログ

テーマなどない自由気ままな雑記帳です。

誰もが初体験。

凄まじい地震でした。
現在まだ余震が続いているので「地震でした」というよりは「地震です」と言いたいです。
未だ「罹災中」というのが正しいような気がします。



地震の起こったとき、私は外出していて帰宅途中でした。
JRさいたま新都心駅から帰ろうとまさに改札口まで30m程のところで遭遇しました。
さいたま新都心の改札口は階上のプロムナード(メザニンと言うんですか?)にあります。
プロムナードが波打って、頭上の構造物が大きく音を立てて揺れました。
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身の危険を感じてよろよろとしながら(まともに歩けませんでした)、近くの高層ビルに入りました。
とっさに、中二階のような通路にいるよりは高層ビルの中のほうがずっと安全だと思ったからです。
カフェテラスのあるビルでした。
ビルの中では大きな振幅で揺れていました。
恐怖感を感じましたが、外よりは安全なはずだ、このビルが倒壊するとしたら他のどこにいても駄目だろう、と我が身に云い聞かせて、耐えていました。



大きな本震と思われるものが過ぎてもビルの耐震構造のためかいつまでもゆらゆらとゆれています。
すぐに我にかえって家に電話しました。
通じません。
固定電話が通じなかったので携帯に電話しましたがやはりダメです。
どちらの電話も数回試しましたが駄目だったのでメールをしました。
メールも果たして届くのか、心もとなく思いました。



とにかく情報が欲しく、radikoiPhoneでラジオを聞くアプリ)に接続しましたがうまく通じませんでした。
ottavaiPhoneでクラシック音楽を聞くアプリ)には接続できまして、ottavaの画面の下に流れるテロップのニュースで地震の事実を知りました。
しかし、クラシックを聞きながら、身の危険を感じながらテロップのニュースを見ている自分を感じて少しおかしく感じたのは事実です。


そうこうしているうちに2回目の大きな揺れが来ました。
余震、にしてはあまりにも大きな揺れです。
高層ビル内にいることを割り引いても凄まじい揺れです。
音もすごかったです。


なんとか2回目の揺れもやり過ごして外に出てみると、まだメザニンも揺れています。
人々は携帯を握り締め、手をつなぎあい、首をめぐらして高層ビルを見上げたりしていました。
駄目だろうとは思いつつ、改札口に行きました。
やはり電車は止まっていました。



再度電話。
不通。



メザニンから周りを見下ろしても、どうやら倒壊した家屋はないようでしたので、これなら我が家も大丈夫かもしれない、と少しだけ安堵しました。
しかし、連絡がとれるまでは固い心のままです。



どうしても家族、知人に連絡が取りたくて、自分は大丈夫だとアピールしたくて、facebookに書き込みをしました。
とにかく一刻も早く家に帰ろうと思って、改札に背を向けて歩きはじめました。
ここからなら家まで15km程でしょう。
3時間あれば着くでしょう。
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歩き出してすぐにfacebookに書き込みがあったことを知らせるアラームが鳴りました。
息子の奥さんでした。
息子は会社で、奥さんは家で、それぞれ無事、ということでした。
その2人をハブにして娘夫婦の無事も確認できました。
私の務めていた会社の後輩からもメッセージが入りました。
しかし、妻とは連絡が取れません。
歩みを止めてメールしたり、通じることに一縷の望みを託して電話したりしました。



歩きながら、停電していることに気づきました。
消えている信号を見たのは初めてです。
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おそらく我が家も停電でしょう。
となると家電は通じないことになります。
その後はひたすら携帯に電話しましたが、全く通じませんでした。
妻はfacebookはやってないし。


幹線道路を歩きましたが、道のこちら側は電気がきていますが、反対側は全て停電していたり、信号だけが停電していたり、あるいは信号だけ点いていたり、どんな通電のパターンなんだ?と思いました。
歩いていて思ったのは、「俺って歩くの早いのかな?」ということでした。
けっこう人を追い越していきますが、追い越されたことはなかったように思います。



当初の読み通り、3時間弱で家につきました。
外で、妻とご近所の奥さんがしゃがみ込んでなにやらやっていました。
正直、この光景を見て安堵しました。
で、なにをやっていたのかというと、大型の懐中電灯に乾電池を入れていたのです。
ご近所の奥さんが妻のところに乾電池を借りに来て、電池を挿入したのですが、点かない、と色々いじっていたのだそうです。
電池の入れ方が間違っていました。
単一電池を4つ入れる懐中電灯なのですが、4つ全部同方向に入れていました。
直列になるように入れなおして一件落着。




ところで、妻は私からの着信もメールも全て受け取っていて、私が連絡とろうとしていたことは分かっていたそうです。
メールには返事を出したということですが、私のiPhoneには届いていません。



家はとりあえず外見はどこも壊れたり崩れたりしていませんでした。
中も食器等が壊れるようなこともなかったそうです。
妻も地震の起こったときは外にいて、立っていられなかった、女子高生たちがキャーキャー言っていた、と言ってました。
家の中にいなくてよかったと思います。
あの揺れを家の中で体験したらトラウマになっちゃうかもしれません。



停電、ガスもダメ、水道は大丈夫。
テレビを見たいけどかなわず。
ラジオを聞いていました。


今頃妻からのメールが来ました、2通まとめて。



とにかく何か食べようと相談していると、件のご近所の奥さんがインスタントラーメンを持って来てくれました。
乾電池のお礼だそうです。
せっかくなので頂いたラーメンを食べよう、ということになってお湯をわかすことになりました。
ガスが使えないので、お湯は山道具を使うことにしました。
トランギアとコッフェルでお湯を沸かしました。
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アルコールの薄青い炎をありがたいと感じました。



懐中電灯の光は直線的で部屋の明かりには多少不向きです。
そこで、キャンプ道具のランタンを引っ張り出して明かりにしました。
今日はお風呂は我慢しなければなりません。
余震もあることなので、2階の寝室で寝るのはやめて、1階のリビングで寝ることにしました。
キャンプ道具置き場をかき回して寝袋を引っ張り出しました。
私のはマミー型、妻は封筒型。
さらに暖房用にハクキンカイロを一つづつ持ちました。



山・キャンプ道具がこんなに活躍するとは思いませんでした。



翌日は電気もガスも復旧しました。
山道具よりはるかに便利ですね。


今回の大地震、私も妻も家の外で経験しました。
我が家の猫達は家の中で地震にあいました。
怖かったことでしょう。
トラウマになったのか、変な寝方をしていました。
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