移り気なブログ

テーマなどない自由気ままな雑記帳です。

“自炊”

最近気になっているのは電子書籍。
iPadKindleなどの端末があれば分厚い本を持ち歩かなくてもよくて、しかも一度に数百冊の本を持ち歩ける、というもの。
まあ、数百冊もいらないけど、かさばらずに本が読めるというのは魅力。
でもまだまだ紙の本にこだわる論調のほうが強いかな。
確かに紙の本ではなくてはならない場合は圧倒的に多くて、たとえば写真集とか各ページのレイアウトがまちまちで特に見開きページで表現してある場合とか。
こんなのは電子書籍にしたところで全く意図が伝わってこないんだろうな。


でも、文庫本やペーパーバックなどは電子書籍向きなんじゃないかな。
電子書籍端末は手軽に本が読めるのがいいんで、文庫本なども手軽に読めるわけで、どうやら 手軽 というのがひとつのキーワードなのかもしれない。


ということでiPadもKinndleも持っていない私はiPhoneで電子書籍を見ようといわゆる自炊をしてみました。
実は自炊っていう意味がよくわからなくて、勝手に解釈しているところでは文庫本をPDFファイルにしてそれをiTunes経由でiPhoneで読めるようにすればいいのかな、みたいに思ってやってみました。


調べてみるとさまざまな機器やら道具やらが自炊用としてあるらしいのですが、私の場合はあくまでもお遊びなので完全に手持ちの道具のみで取り組みました。
自炊をする上で必要不可欠なものは「裁断」と「スキャン」のようです。
「裁断」は文庫本を背のところを残してばっさりと切り落とし、ばらばらのページにすることです。
そうしないとスキャンできないですからね。
「裁断」用の器具があったりします。
Kinko'sで1冊105円で裁断してくれるらしいです。
私はカッターと鉄製の定規とカッターの刃を受けるためにその辺に転がっていた雑誌を使いました。
一度にたくさんのページをカットしようとすると失敗します。
定規を使っているのにまっすぐカットするのはとても難しいです。
細かな切りくずがたくさん出てカーペットに落ちて掃除が大変でした。
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これが切り落としたあとです。
がちがちのぎざぎざですね。
これでもかなりうまくカットできたほうです。
ひどいのは刃が引っかかってページがずたずたになったりします。
これはなまくらな刃を使ったのと力の入れ具合が悪いことが原因です。
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さて裁断が終わったらスキャンに取り掛かります。
私のスキャナーはEPSONのGT-7200Uという2001年発売のフラットヘッドスキャナーです。
写真のネガやポジもスキャンできる、というので購入したのですが、これは全くの期待はずれでした。
そんな骨董的な機械を引っ張り出して埃を払って接続しました。
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そして1枚づつスキャンしていくのですが、これが実に大変、苦痛でした。
スキャンの速度が遅いので1ページスキャンするのに実にもどかしい時間が流れます。
数をこなすうちに気付いたのですが原稿を横向きに置けばスキャンの距離が短くてすむのでその分多少の時間短縮ができます。
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じりじりとしながらスキャンの進行を見つめます。
EPSON Smart Panelというソフトでスキャンの設定をすると初期設定で96dpiとかでスキャンすることになっています。
設定はいじらずにおきました。
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1時間で100ページちょっとスキャンできました。
300ページの本1冊だと3時間かかります。
フラットヘッドスキャナー向きの仕事ではありません。
まあ、時間はたっぷりある私ですから何とか耐えています。


スキャンしたものはjpg画像として保存されます。
いきなりPDFになればいいのに。
ということでjpgの画像をPDFに変換します。
PRIMOというソフトを使ってPDFにしました。
PDFファイルの名前を本のタイトルに変更して保存しました



そしていよいよiTunesに転送します。
iTunesではPDFファイルをドラッグアンドドロップできませんでした。
普通に「ファイル」→「ファイルをライブラリに追加」と進んで転送します。



そしてiPhoneと同期してiBooksを開くと
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ちゃんとみられました。


ところが
iBooksのページ送りは洋書と同じ向きなんです!
日本の文庫本は右開きだけどiBooksは左にページを送っていくんです。
これがなんとも違和感を感じさせます。



でもなんとか日本の本をiPhoneで見ることができました。
日本では電子書籍がふんだんに出てくるのはまだまだ先のように思います。
それまで気に入った本は時間がかかっても“自炊”で電子書籍化して端末で楽しもうと思います。